大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1103 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人下山四郎の上告趣意について。

論旨中原判示事実の第二三傷害に関する部分は、原審が経験則に反して証拠の価

値を判断したか、原判決に理由不備の違法があるというのであるか、原判決に挙示

されている証拠によれば、被告人が原判示のようにAを殴打し打撲傷を負わせた事

実を認定することができるのであつて、その認定には経験則の違反もなく、原判決

には理由の不備もない。それゆえ、この点に関する論旨は理由がない。

論旨中原判示事実の第三収賄に関する部分は、要するに、被告人は本件山林の売

却については林野委員としては何等の権限がなかつたのに、被告人が買受け希望者

に山林を案内したことをもつて林野委員としての行動であるかのように認めて被告

人がそれに関して謝礼を受けたことを収賄罪と判断したものとしてこれに対する非

難である。しかし、原判決の挙示する証拠によれば原判示の事実を認定し得られな

いわけではなく、またその認定事実によれば、被告人は公務員であるa村林野委員

として村有林買受け希望者の依頼があれば現地に案内指示する等の職務権限を有し

ていたので、B等をその希望によつて村有林に案内し現地を指示し又入札の最低価

格を内示し自己の職務に関し同人等に便宜を与えた林野委員としての職務上の尽力

及びその他の尽力に対する謝礼としてBから金三万円を受取り内金二万円を自己に

収得し以てその職務に関し賄賂を収受したものと判断しているのであつて、所論の

ように本件村有林の売却に関し資金調達委員会が設置されたために林野委員の職務

権限がすべて消滅したものと認定しているのではない。それゆえ、所論のような前

提の下に原判決を非難する論旨はすべて理由がない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり

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判決する。

以上は、裁判官全員の一致した意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二五年一二月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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